Read with BonusRead with Bonus

2034話

「よくやったな！」

今まで気づかなかったけど、王さんってこんなに凄かったのか？

心の中で感心しながら、他のことは考えている暇もなく、私はガソリンスタンドへ向かって身を翻した。王さんが命がけで時間を稼いでくれているんだ、一分一秒も無駄にはできない！

夜の暗がりが絶好の隠れ蓑になり、常人を超えた視力が便利さを提供してくれた。武装した連中が混乱しながらトラックの一台に集まっている隙に、私は車に飛び乗り、ついでにドライバーを気絶させて引きずり降ろした。

信じられないほど簡単だった！

深く息を吸い込む。何か変だと感じたが、今はそんなことを考えている場合じゃない。すぐにエンジンをかけた。

モーターの...