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1996話

車を降り、ビルに入り、素早く四階の402号室の前まで駆け上がると、ドアを軽く三回ノックした。

一分後、ドアが開いたが、出迎えたのは李欣ではなく、顎鬚を蓄えた中年の男性だった。一目見ただけで、どこか安心感を与えるような雰囲気の人物だ。

中年の男性は私をしばらく上から下まで眺めた後、ようやくゆっくりと口を開いた。「あの子が、少し状態が...」

王邵陽？

反射的に、私は王兄の息子のことを思い浮かべた。

この緊迫した状況で、一体何があったというのだろう？

「寝室にいる」

中年の男性の態度も口調も非常に落ち着いていた。

私は彼を見つめ、そしてドアを開け、寝室へと駆け込んだ。寝室に足を踏み入れた...