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1977話

この小さな空間の中で、私たち三人は顔を見合わせ、王邵陽だけがちょこちょこと騒ぎ立てていた。

火猿の手がペンチに変わる様子は、彼の子どもとしての好奇心を掻き立てたようだ。これも王邵陽に残された数少ない子どもらしさなのだろう。それを見ている私たちの胸は少し痛んだ。

王邵陽は恐る恐る手を伸ばし、火猿のペンチをコンコンと叩いてみる。好奇心に満ちた表情で暫く弄くり回した後、唐突に一言。「わぁ、あの悪い人たちの体についてるのと似てる……僕も欲しいな!僕もこんな大きなハサミ持ってたら、もう注射で刺されたりしないのに!」

そう言いながら、王邵陽は口を尖らせ、哀れっぽい目で私たちを見つめた。

この話から...