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1968話

「博士が淡々と言い終え、軽く私の肩を叩くと、その小さなガラス試験管を私の目の前へ差し出した。「さあ、彼に持っていきなさい」

ふぅ……

それを聞いて、私は安堵のため息をついた。気づかれなくて良かった!

ビリッ!

しかし手を伸ばそうとした瞬間、肩に鋭い痛みが走り、続いて腕の半分がしびれるような感覚が襲い、私はほとんど倒れそうになった。

「本当に、こっそり忍び込んだところで気づかないと思ったのかい?」

すぐ横から博士の嘲笑う声が聞こえてきた。その声には抑えきれない興奮と喜びが混じっていた。「君は本当に待ちきれなかったんだね。こんなに早く大きな贈り物を持ってくるとはね。今度は、そう簡単には逃がさ...