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1960話

見れば、その全身の皮膚が崩れ、異様な臭いを放っていた死体が、なんと治り始めているではないか!

しかも治癒のスピードが極めて速い。たった一分とかからず、船長の甥の体の傷口が再び塞がり、しかも傷跡一つ残さない。まるで私の自己治癒能力と比べても遜色ないほどだ!

だが、これは先ほどのピンク色の霧を思い出さずにはいられない!

彼はあの霧に触れたからこうなったんだ!

私は勢いよく振り返り、笑みを浮かべる博士を見つめ、低い声で尋ねた。「お前、一体何をこいつにやったんだ?」

「君のおかげさ」

博士は神秘的な笑みを浮かべた後、「覚えているかい?私は当初、君の血をかなり採取させてもらったんだよ……」

私のおかげ?...