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1924話

「まったく、こういう場所は大嫌いなんだよ。ここにまたどんな奇妙なものが待ち構えているか、誰にもわからないんだからな……」

火猿は頭を振り、諦めたような表情を浮かべた。

私も不思議に思っていた。この扉は水底に沈んでいたはずなのに、扉の内側はまったく乾いた場所で、足元の平らな草原からは青白い光が漂っている。

この全てが言い表せないほど奇妙だった。

これまで多くの不思議なことを経験してきたとはいえ、今目の前に広がっているものは、あまりにも常識外れだった。

ただ幸いなことに、この場所の光の霧が視界を遮っているものの、地面の足跡ははっきりと方向を示していた。

私たちは懐中電灯を取り出したが、照らし...