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1918話

「へっ……」

麻薬密売人の頭目は突然首を横に振り、頭を垂れたまま黙り込んだ。

チン!

その後、澄んだ音が響き渡る。私は敏感に気づいた——妖剣の手に握られている麻薬密売人の頭目の手に、いつの間にか手榴弾のピンが一つ!

くそっ、こいつマジで冷徹な野郎だな!逃げられないと悟ると、俺たちもろとも道連れにする気か。

だが困ったことに、今は奴との距離が近すぎる。手榴弾の起爆は数秒しかない。今全力で走ったとしても、爆発半径から逃れるのは絶対に無理だ。

この距離だと、俺でさえ被弾すれば重傷は免れない。まして弱体化中の火猴や、一般人の王兄貴なんて!

ちくしょう、読みが甘かった!

しかしその時、突然全身を引き裂か...