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1872話

「何か見つけたのか?」

火猴は少し興奮気味で、私たちより先に王兄のそばまで駆け寄った。だがその直後、普段は大胆な彼が思わず首を縮めるのが見えた。

「うわっ!」

王兄の足元の草むらには、一体の死体が横たわっていた。

人とは思えないほど無惨な姿だったが、死者の服装から判断すると、麻薬密売組織の一員だとわかる。

これほど残忍な手口は、間違いなく会社の連中の仕業だろう。

「もう少しだ、すぐに奴らを見つけられる!」

王兄は心の高ぶりを抑えきれず、歩き出そうとしたが、私は彼の肩をしっかりと押さえ、首を横に振った。

子を思う気持ちは理解できるが、夜の闇と大雨の中を進み続けるわけにはいかない。

視界があまりに...