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1860話

「はぁ…」

火猿と李欣の顔にも、少し忍びないという表情が浮かんだ。玉城瑶はさらに珍しく前に進み出て、王兄の肩を叩いた。「安心して、あなたの奥さんと娘さんを必ず助け出すわ…」

玉城瑶はそう言いながら、わざと私の方を見た。「そうよね?」

「ああ」

私は頷いた。

玉城瑶がこんな風に言うのは、おそらく先日の藤井の犠牲があったからだろう。今にも大切な人を失いそうな王兄を前にして、どうしても同情の念が湧いてくる。

「じゃあ、先に人を救うのか、それとも先に探すのか?」

火猿が沈んだ声で言った。「彼の言う通りなら、会社の連中はもう捜索を始めているはずだ。俺たちは一歩遅れてるぞ」

「先に救うわよ!」

玉城瑶は冷...