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1848話

半日経った頃、彼女はようやく私をちらりと見た。「知りたいの?」

「知りたい」

「なら、ずっと知りたがっていればいいわ」

車に乗り込んだのは、正午頃だった。

そのままトラックに乗せられ、北へと向かって走り続け、真夜中になってようやく、車は古びたモーテルの前で停まった。

車から降りると、運転手は一言も発せず私たちをモーテルへ案内し、階段を上がった。

「部屋は二つだ。好きな方を選んでくれ」

これが半日以上経って、運転手が初めて口にした言葉だった。「しっかり休め。道のりはまだ長い。目的地に着くのは早くても明日の夜だ」

彼の声は落ち着いていて、聞いているだけで何故か安心感が湧いてきた。だが、言い終...