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1796話

「この中には教授からのものが入っている。お前さんが必要とするものだ。これからは、自分の力だけが頼りになる。」

飛行機が離陸した後、私はようやく包みを開けた。

中身はシンプルで、現金の束と携帯電話、そしてA4用紙が一枚だけだった。

携帯電話と現金の用途は言うまでもないが、このA4用紙の価値は他の二つをはるかに上回るものだった。

そこには大使館の平面図が描かれ、警備員の配置まで詳細に記されていた。

さらに館内の重要人物の情報も。

彼らの好みや行動パターンまで特記されていたほどだ。

私はそこに書かれた一字一句まで記憶に刻み込み、紙を丸めてゴミ箱に捨てた。

四時間後、ようやく京都空港に到着した。

人々...