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1781話

キャサリンの言葉が終わった瞬間、彼女は一歩後退し、身体が急速に膨張して白い光を放ち始めた。

この光景は予測していたことだが、今できることといえば、最後の希望をすべて手の中の岩の心臓に託すことだけだった。

「ドクン、ドクン!」

わずか三秒の間に、キャサリンは普通の人間の姿から巨大な球体へと変貌を遂げていた。

そして藤井の心臓も激しく鼓動し始めた。

一回一回の鼓動ごとに、大量の血液が溢れ出し、私の腕を伝って地面へと流れ落ちていく。

カーン!

白い光が瞬く間に目の前の世界を飲み込んだ。その光が私たちを覆い尽くす直前、足元が空になったような感覚があり、続いて訪れたのは漆黒の闇と重苦しい窒息感だった。全...