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1758話

私は前方にある数本の赤い大きな木を指さした。

記憶が正しければ、ここを通り抜けると鴻鹿人の集落に辿り着くはずだ。

彼らは我々のような外来者を歓迎しないし、それに、私と一緒に西王母宮に入った彼らの族長も死んでしまった。

だが今の我々には選択肢がない。

山の内部に入ってから、日の光が届かないあの場所では、昼と夜の区別もつかなかったが、おおよその見積もりでは、すでに一週間以上が経過しているだろう。

その間、休息を取った回数は指で数えるほどしかない。

我々は今や普通の人間ではないとはいえ、やはり血肉の体を持つ身、しっかりと休息を取る必要がある。

「うむ……」

火猿は黙々と頷いた。

欧陽烨を背負って歩き...