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1742話

でも、私が夢に見た宮殿は山の頂上にあったはずなのに、実際にそこへ辿り着いた時には、すでに廃墟と化していた…

そして目の前のこの宮殿は、山の中にあるじゃないか!

そう思い至った瞬間、私の額には冷や汗が浮かんでいたが、自分では全く気づかず、ただ喉の渇きと手足の冷たさだけを感じていた。

これは……一体どういうことだ?

「どうしたんだ?」

最初に私の様子がおかしいと気づいたのは火猴だった。彼は私の肩をつかみ、強く揺さぶって、ようやく我に返らせてくれた。

それでもしばらくは頭がぼんやりしていた。

心の奥底では、ここから逃げ出したいという衝動さえ湧いていた。自分の一挙一動が何かに監視されているよ...