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1728話

「この物体はどう処理すればいいんだ?」

火猿は歯を食いしばり、息を吸い込んだ。「殺せるとは思えないな」

そもそもこいつはすでに死んでいるのだ。

私は困ったように首を振った。天知る、この一体いつ死んだのか分からない小人が何に操られているのか。

だが、頭を叩き潰されても攻撃してこなかったところを見ると、悪意はないのだろう。

「何か言えよ!奴が近づいてくるぞ!」

小人との距離が縮まるのを見て、火猿は焦りはじめた。

「動くな」

私は身を低くして声を荒げた。

同時に彼の肩をしっかりと押さえつけ、小人が私たちに向き合い、ゆっくりと脇を通り過ぎ、視界から消えるまでそのまま手を離さなかった。

岩陰に隠れていた...