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1712話

「普通の弾丸でさえ、私の殻を貫通できないんだ」

火猴はそう言いながら、興奮気味に私に向かって目配せした。

だが私は、彼が一般人より強くなったことを素直に喜べなかった。

一見すると、この変化は良いことのように思える。しかし、これからさらにどんな身体の変化が起こるのか、誰にもわからない。

もし火猴が本当に甲殻類生物の方向へ進化しているのなら、時間が経てば苦しい脱皮期を迎えることになるだろう。それに能力がもたらす副作用も出てくるはずだ。

これらすべてが彼の払わなければならない代償なのだ。

一度でも何かあれば、命を落とすことになりかねない。

だが興奮している火猴の前では、私は無理に微笑みを浮かべ、その...