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1675話

その瞬間、僕は野田君のことも気にせず、前方へと猛烈な勢いで駆け出した。

一瞬のうちに、僕の速度は極限まで上がり、自分でも驚くほどの速さだった。まばたきを数回するほどの間に、おそらく百メートルほどの距離を走り抜けていた。

この速度は、もはや常人の領域を超えているんじゃないだろうか?

僕は内心驚いたが、考える暇もなかった。目の前では、二つの小隊が対峙していたからだ。

そして両隊の中央で、一人の美しい影が獣のような男と激しく戦っていた。二人の格闘は、見るからに息詰まるような激しさだった。

拳と足が交わるたびに生じる衝撃波は、まるで爆弾の威力に匹敵するほど!

この廊下全体が、二人の戦いで揺れ動いていた...