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1664話

その瞬間、私は気づいたのだ。ここには霧がまったくないということに。遠くはまだ闇に包まれているものの、かすかに見える限り、ここはかなり広々とした空間だった。

私はゆっくりと体を起こし、慎重に懐中電灯を手に取ると、周囲の状況を観察し始めた。

最初に目を向けたのは頭上だった。そこには道路の断層があり、私たちはそこから落下してきたのだ。もともと第七層にいたわけだから、ここが私たちの目的地なのだろう。

そう推測しながら、他の場所も観察していく。

私たちが落下してきた場所を見た瞬間、まぶたが痙攣した。くそっ、あんな高いところから落ちてきても無事だったのは、下に死体が何体も敷き詰められていたからか!...