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1652話

しばらくすると、通路の中は次第に明るくなり、ウルスラの持つ赤石も必要なくなった。

地上に足を踏み出した瞬間、目の前に迫る高峰を見つめ、私の気持ちはようやく半分以上晴れた。

ついに、到着したのだ!

「案内しろ」

私はウルスラに顎をしゃくった。

ウルスラは顔を曇らせ、恨めしそうな目で私を睨みつけ、まったく乗り気でない様子だった。

だが、すぐに彼は歯を食いしばって言った。「王母宮はもうすぐそこだ。お前たちだけで行けるだろう!」

「選択肢などないぞ」

私はすかさず表情を引き締め、怒り出しそうな素振りを見せると、ウルスラはようやく頭を垂れ、不満げなため息をついて先頭に立った。

「王母様、どうかお許しを…...