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1648話

「死んじまうぞ!急げ!」

私は歯を食いしばり、彼女の抵抗など構わず、そのまま腰に手を回して担ぎ上げた。

確かに重いが、彼女の手を引いて走るよりはマシだ。今はただ、あの怪鳥どもが追跡を諦めてくれることを祈るだけだ。

「終わりだ……」

必死に走り続けて半時間、私は急ブレーキをかけて足を止め、蹴飛ばされた石ころを見つめながら、思わず二歩後ずさった。

行き止まりだ!

目の前には底の見えない深い裂け目が口を開けている。私がいる場所と向こう側の陸地との距離は、目測でも少なくとも百メートルはある!

さらに目に入る限りの崖壁には、巨大なタコのような生物がいくつも張り付いている!

そして何より、背後からは怪鳥の...