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1636話

「じゃあ、まず私が先に入るよ」

私は言って中に足を踏み入れた。自分の身体能力なら、何かあったとしても素早く反応して反撃できるはずだ。安全係数も高くなる。

欧陽燁を先に行かせたら、万が一危険があった場合、彼女は自分がどうやって死んだかすら分からないだろう。

私は細心の注意を払いながら通路の中央まで進んだが、何も起こらなかった。そこで初めて、欧陽燁に手招きして、こっちに来ていいと合図した。

「本当に大丈夫なの?」

彼女は試すように数歩進み、それから小走りで私の側まで来ると、私の肩をしっかりと掴んだ。「気をつけてよ」

私は何も言わず、彼女を連れて石の扉へと向かった。

扉は半開きで、一人だけ通れるほど...