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1600話

「そうだね……」

火猴は頭を垂れて、苦々しい声で言った。

私の胸の内も辛かった。だが、死んだ人間は戻らない。悲しみに浸るだけでは何の意味もない。それに、私たちの前にはまだ長い道のりが待っているのだ。

「少し休んでいろ。周りに食べられるものがないか探してくる」

そう言って、私は胡楊林へと足を踏み入れた。

上陸した時点で、湖には魚やエビのような生物がいないことに気づいていた。だから、胡楊林に目標を定め、このトゲだらけの灌木が生い茂る場所で何か食べ物を見つけられることを願った。

しかし、ここは砂漠だ。生物の数は極めて乏しく、半日かけて探しても、豆ほどの大きさの赤い小さな漿果を数粒見つけただけだった。...