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1590話

最初から最後まで、火猴は私の存在に気づいていなかった。彼は死体のような御林軍たちに囲まれながら、ゆっくりと宮殿へと歩を進めていった。

今、私には二つの選択肢がある。

一つは火猴に続いて、この遮るものが何もない斜面を登っていくこと。だが、そうすれば見つかる可能性が高い。そうなった時の結末は、想像したくもない。

もう一つは、ここに留まって火猴が出てくるのを待つこと……

少し考えた末、私はやはり彼に続くことにした。このまま待っていて、万が一彼が中で何か不測の事態に遭ったら、助けに行くのが遅れてしまう。

斜面を登るにつれ、地面の亀裂はどんどん大きくなっていった。

まるで誰かがここに爆弾を投下...