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1582話

しかし、その時の私は、何があっても想像できなかった。私が気に留めなかったものが、後になって私たちの命を救うことになるとは。もっとも、それは後の話だが。

昨日と同じように、火猴は最前線で道を切り開き、私は高熱が続く楊慧の世話を担当していた。

私たち三人は泥棒のように、そっと慎重にドアを開けて外に出た。一歩一歩を軽く踏み出したつもりでも、地面を踏むと「サラサラ」という音が避けられず、数十メートルも心臓をドキドキさせながら歩いた後、やっと足早に進むことができた。

通りはだんだん広くなり、周囲の建物も次第に少なくなっていった。

しかし、私たちの足元には何かが増えていた。節足動物の死骸が無造作に...