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1580話

「お前は……」

楊慧は感情が高ぶったようだが、一言発しただけで力なく頭を垂れた。

額に触れてみると、熱くて手が引っ込んでしまう。

また熱を出している。

しかしこの小さな発熱でさえ、私には手の施しようがなかった。今の私たちには医療設備など何一つないのだから。

ただ水を飲ませて、彼女が持ちこたえることを祈るしかない。

それをすませた後も、この店の隅々まで確認しなければならない。もし蠕虫が隙間から侵入してきたら、私たちは全滅だ。

「彼女を見ていてくれ。万が一のために、この場所を調べてくる」

火猴に告げると、彼が頷いたのを確認して、店の奥へと足を進めた。

外とは違い、ここの床はじめじめと湿っており、泥...