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1577話

「千年前のここは、繁栄し賑わっていた区域だったのだろうか?」

私がそう感慨にふけていると同時に、何か腑に落ちない感覚が湧いてきた。

何か、見落としているものがあるような…?

「なんで人がいないんだ?」

火猿の一言で私は我に返った。

千年前、店舗が立ち並び、露店であふれていたこの場所は、賑やかな大通りだったはずだ。

もし当時の古代都市が恐ろしい天災に見舞われたのなら、今この目に映るのは数え切れないほどの遺体のはずではないか?

もしかして、彼らは皆隠れたのだろうか?

だが先ほどの夫婦の死に様から推測すると、災厄はほぼ一瞬のうちに襲ったはず。彼らには避難する機会などなかったはずだ!

「気をつけろ、何...