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1569話

しかし、地面にはっきりと残された足跡が教えてくれる。王剛は左側へ向かったのだと。

「俺たちはそのまま前に進もう。あいつのことは放っておけ」

火猿の言葉に私は同意したが、楊慧はそうは考えていなかった。

「やっぱり様子を見に行ったほうがいいと思う。もし彼が危険な目に遭っていたら、この場所で彼を助けられるのは私たちだけだから……」

まるで楊慧の言葉に呼応するかのように。

次の瞬間、私たちの左側から銃声が連続して響き渡り、遠くで銃口から吐き出される炎とかすかな光が見えた。

王剛が危険に遭遇した!

王剛が窮地に陥ったが、私の心には何の動揺もなかった。

もし少し前に、彼が私のこめかみに銃を突き...