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1562話

辺りは漆黒の闇に包まれ、頭上からわずかに差し込む光だけが唯一の明かりだった。

まるで井戸に落ちたかのようだ。ざっと見積もっても地上からは十数メートルはあるだろう。もしこの砂の山がクッションになっていなければ、今頃は落下死していたに違いない。

命があったのは不幸中の幸いだが、問題は上にどうやって戻るかだ。

「ゲホゲホ、ぺっ、ここはどこだ?」

そのとき、火猴たちも砂の山から這い出してきた。見たところ、皮膚の擦り傷程度で大した怪我はないようだ。

「ラクダは?ラクダを探せ!ラクダの荷物にはフックか何かあるはずだ!」

火猴は急いでラクダの姿を探し回った。

「無駄な努力だよ。フックがあったと...