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1553話

「なんでこんな今更出すんだよ?」

火猴に一つ渡し、自分も防毒マスクを装着すると、ようやく呼吸が楽になり、頭もすっきりとしてきた。

だが、ある疑問が浮かんだ。

こんな優れものがあるなら、なぜ彼女はもっと早く出さなかったのだろう?

これほどの砂嵐が猛威を振るう中、隊員たちやその他の中核メンバーが単なるマスクだけでは絶対に足りない。間違いなく大勢が命を落とすはずだ。

「このマスクは全部で九つしかないの。八つは私たちのため、もう一つは予備よ」

楊慧の声は苦しげだった。「でも隊には二十人以上もいるから、全然足りないわ。さっき出したら、絶対に無用な争いが起きたはず。私も仕方なくてね。今説明している暇はない...