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1286話

私たちが進み続けていると、突然血の匂いが鼻をついた。私は皆に待つよう告げ、その匂いを辿って行くと、すぐ近くの雪だまりの中に一つの死体を発見した。

男性の遺体で、凍結の程度から見て死後五時間も経っていないだろう。

喉を切り裂かれて殺されていた。

服装から見るに、シベリアの先住民のようだ。

これには私たちも驚かされた。

シベリアに先住民がいることは、私たちも前から知っていたし、世界的にも秘密ではない。シベリア地方は、永久凍土の山々や極寒の地域だけでなく、肥沃な平原も広がっている。

「平原地帯には、ハカス人、ヤクート人、ブリヤート人、そして北方少数民族などが暮らしている」

彼らはそこで独特の...