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1276話

「砂漠を数日歩いただけで、砂漠を征服したと?海を一周泳いだだけで、海を征服したと?

なんて滑稽な考えだ」

私たちは素早く崖を登り、先ほどの白骨が山積みになっていた小さな平台に戻った。

平台に足を踏み入れた瞬間、背後から耳をつんざくような轟音が響き、下から冷たい気流が吹き上げてきて、私たちはほとんど吹き飛ばされそうになった。

振り返ると、下方は霧に包まれ、氷の峰が崩れ落ちる姿が見えた。まさに北極海へと通じる大穴に落ちたようだった。

それは一つだけではなかった。最初の一つが崩れると、次々と氷の峰が狂ったように崩落し、轟音が絶え間なく響き渡った。

もし私たちがほんの少しでも遅れていたら、今...