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1269話

私たちの目の前に現れたのは、なんと漆黒の球体だった。

この球体の表面に触れてみると、やや粗い感触があるものの、非常に硬質で、まるで鉄のような硬さを持っていた。しかし、鋼鉄特有の冷たい金属感はない。

私はこの黒い球を爪で数回つついてみたが、かけらひとつ剥がれることはなかった。どうやらこの物体は非常に強い凝固性を持っているようだ。

「これは一体何だ?」

私たちは顔を見合わせ、皆が不可解さを感じていた。

こんなものが死体の内部で自然に生成されるとは思えない。もしかして死後に人為的に詰め込まれたのか?あるいは生前に?

「これって何か虫の……つまり腐肉を食べる生き物の巣じゃないか?」

王錦...