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1134話

結局、我々は勝った。

私とアブは崩れた城壁の上に立ち、敗走する敵軍を見下ろしていた。

私は軍を率いて紗子の行宮に突入したが、残念ながら混乱の中で紗子という女を捕らえることはできなかった。

あの女は並外れて狡猾で、おそらく戦いの敗北を予測し、あらかじめ逃げていたのだろう。

実際、私が彼女を見たのは戦闘が始まった瞬間だけで、その後はすぐに姿を消していた。

それが非常に残念だった。

しかし、思わぬ収穫もあった。

紗子の行宮で、私はまた別の顔なじみと出会ったのだ。

秦小怜。

あの女がまだ生きていたとは、正直驚いた。確か神殿の巫女か何かだったはずだが、麓の城を攻め落とした時、神殿で彼女を見つけられず、死...