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1122話

前回、私とアブが訪れた時は、別の非常に急峻な崖道を通り、断崖絶壁の間を縫うように進んだ。極めて危険な道だった。

私とアブの二人だけなら何とかなるだろうが、アブが三人も背負っていたら、事故が起きる可能性が高い。

だから今回は大通りを行くしかない。重兵に守られたこの天谷関を通るしかないのだ。

この道中、追っ手に知らせる機会は与えなかったものの、戦いの痕跡や死体はそのままで、間違いなく紗子に発見されているはずだ。

あの女の頭の良さなら、私たちの行き先をすぐに判断できるだろう。だから、予想通りなら、天谷関では彼女の重兵による防衛に遭遇するはずだ。

もちろん、ここが最後の関門だ。ここを突破さえすれば、自...