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1121話

紗子という女、やはり小細工を仕掛けてきたな!

私たちの進む速度はかなり速く、紗子配下の騎兵たちはまったく追いつけず、しばらくすると城砦の影さえ完全に見えなくなった。

それに安堵しながらも、どこか不安を覚えずにはいられなかった。

紗子という女はいつも策略に長けている。今回どうしてこんなにも簡単に私たちを逃がすのだろうか?

そう思っていたところ、案の定、間もなく事態は急変した。

私たちの車を引く鹿が突然バランスを崩し、前脚を滑らせて地面に倒れ込み、もはや立ち上がろうとしなかった。

鹿車はそれまで疾走していたため、急に牽引力を失い、車全体がバランスを失って今にも横転しそうになり、車内の女性たちは恐怖...