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1120話

「正直に言うと、この女は本当に不愉快だ」

認めざるを得ない、彼女の言っていることは間違っていない。俺とアブはなるほど強いが、所詮は力不足だ。奴らが無数の人命を代償にしてでも俺たちを足止めする覚悟なら、可能性は十分にある。

「何が望みだ？」

俺は冷たく尋ねた。

「私を解放しなさい！」

「それは不可能だ。お前を解放したところで、お前の部下は俺たちの追撃を止めるのか？」

「私を解放すれば、あなたを追わない」

「お前を信じると思うか？」

この女はまさに狡猾な小狐だ。俺が彼女を信用するなど到底できない。

一時、状況は膠着状態となり、交渉は全く進展しなかった。

結局、サヨコという女が提案して...