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1049話

「たった一杯の酒さえ、もう誰も彼に飲ませようとしない」

そして私が現れると、ドゥムハンは驚きと喜びに満ちた表情で、手に持っていた杯を投げ捨て、すぐに私を抱きしめた。

「親友よ、お前は死んだと皆が言っていた。お前の亡骸まで見せられて、どれほど悔やんだことか!まさか生きていたとは、本当に良かった!」

彼はため息交じりにそう言った。

この状況で、落ちぶれた兄弟である私たちにとって、ただ生きているということだけが、心の慰めとなっていた。

しかし、私は苦笑いを浮かべながらも、心の中には晴れない怒りがうずまいていた。

この期間、私とドゥムハンはかなりの苦難を経験してきた。

遠い地から王都まで...