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1045話

激しい痛みに襲われ、瞬く間に冷や汗が額を伝った。

もちろん、私は所詮血肉の身、奴が握っているのは鋭い鉄の剣だ。この剣を押さえつけられるのは数呼吸の間だけだろうが、それで十分だった。

私は奴を壁際に追い詰め、縛られた両手を拳に握り締め、喉元に思い切り叩きつけた。そのまま壁に押し付けて離さない。

両手の力が凄まじく、奴の喉仏はほとんど砕け、呼吸も苦しげになってきた。

息ができなくなった眩暈で、奴は武器を落とし、必死に私の手を掴んで引き剥がそうとした。

だが私には分かっていた。ここが生死の分かれ道だと。奴が死ぬか、私が生きるか!

私は渾身の力を振り絞り、決して手を緩めようとはしなかった。

奴は必死に...