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1020話

「こうしよう、まずはこの林で私を少し待っていてくれ。変装してから迎えに来る」

都木汗はそう言うと、地面から泥を一掴み取って自分の顔中に塗りつけ、顔を泥だらけにした。それから、わざと口を歪めて話し始めた。

私はそれを見て、思わず言葉を失った。私から見れば、トカゲ人の顔はどれも似たり寄ったりで、これじゃ以前と何も変わらないじゃないか。実を言うと、私が都木汗と他のトカゲ人を見分けるのは、主に体格や声、それに着ている服によるものだった。

仕方ない話だ。アジア人が西洋人を見分けるのに苦労するように、トカゲ人の顔なんて私にはなおさら区別がつかない。

今の都木汗のやり方が効果的かどうか全く分からなかったが、...