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1013話

むしろ私の方は、ドムハンというこの大男が敵の主な攻撃対象だったため、比較的怪我は軽かった。

もちろん、それも相対的に軽いというだけのことだ。

つい先ほど、私の腕は矢を受け、髪の毛も火矢に焼かれかけ、あわや真っ逆さまに落ちて下の火の海に投げ込まれるところだった。

唯一私たちに少しだけ有利だったのは、奴らもおそらく予想していなかったことだろう。下で猛烈に燃え上がる炎が、絶え間なく立ち上る濃い煙を発生させていたのだ。

この煙は私たちの目を刺激して涙が止まらなくなるほどだったが、同時に野蛮な武士たちの視界も遮り、私たちに一息つく隙を与えてくれた。そうでなければ、とっくに命はなかっただろう。

それでもな...