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1011話

「もっとも、ここの地形は確かに待ち伏せには最適だな」

都木汗の様子から察するに、彼はどうやら両側の山に伏兵がいることに気づいたようだ。

その瞬間、彼は大声で叫ぶと、鞭を振るって巨角牛を打った。

巨角牛は彼の操りに従い、足取りを速め、前方にある谷の出口へと突進していく。

私に至っては、都木汗にもう一頭の巨角牛から引き上げられ、肩に担がれてしまった。

だが、結局我々は少し遅かったのだ。我々が乗っていた巨角牛が出口付近まで駆け抜けた時、山崖から巨大な岩が転がり落ちてきた。

ゴロゴロという轟音と共に、土煙が立ち上る。

目を凝らして見ると、その巨石は落下した後、谷の出口を一瞬にして塞いでしまって...