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432話

「普段なら、部下のこんな無礼な口のきき方を聞いたら、とっくに怒鳴りつけていただろうが、今は胸に不吉な予感がある」上官少は焦りを隠せず、口を開いた。「阿一たちに電話をかけたんだが、繋がらなかった。何かあったんじゃないかと思う。もしかしたら、もう捕まっているかもしれない」

沈黙が流れた……

上官少が対面の部下が消えてしまったのではと思い始めた頃、ようやく遅れて返事の声が携帯から聞こえてきた。

「で、私に何をしろと?」

電話の向こうで、上官旭は少し驚いたような口調で言った。彼は阿一たちの腕前を知っている。普通の特殊部隊員相手でも互角に渡り合える存在だ。もし彼らが本当に捕まったのなら、その背後...