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39話

「安心してくれ、兄貴。俺の言いたいことはわかってる。今度こそ必ず傅芸晴を手に入れてみせるさ」

李云霄が社長室を出た瞬間、彼の足取りが急に止まった。「傅芸晴」という名前が突然彼の注意を引いたのだ。

傅芸晴!

すぐさま、李云霄は足早に隣の裏階段へと向かった。彼の優れた聴力のおかげで、はっきりとその会話が裏階段から聞こえてくるのがわかった。

「安心してくれ、兄貴。俺は傅芸晴のような生意気な女は口説けないが、彼女の側にいる秘書なら何とかできる。俺からの連絡を待っていてくれ」

李云霄が裏階段の非常口に近づくにつれ、耳に入ってくる声がますます聞き覚えのあるものに感じられた。

18階の裏廊下を通...