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373話

その理由から、老趙は妻に地獄火に反抗させたかったのだ。地獄火の連中が彼女を追いかけ、彼らが彼女を見逃していないと知らせることで初めて、妻の心に反抗の炎を燃やすことができると考えていた。

「なんてドロドロした話だ!」

老趙の過去を聞いた李雲霄の頭に最初に浮かんだのは「ドロドロしすぎる」という感想で、次に思ったのは自分が大損したということだった!

たかが小物を報酬に地獄火組織と戦うなんて、完全に割に合わない!

真相を知った今、李雲霄は心の中で後悔したくてたまらなかったが、傭兵が一度口にした言葉は、こぼれた水のように二度と取り戻せないものだった。

「わかったよ、住所と写真、携帯番号とか全部...