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333話

煙雨集団の人気のない一角。

気絶した警備員を人目につかない場所に引きずり込み、段方は素早い手つきで相手の服を脱がせた。自分に当ててみると、目が輝いた。なんと相手の服は自分にぴったりだったのだ!

警備員の制服に着替えると、段方は口元に微笑みを浮かべ、堂々とした足取りで煙雨集団の建物内に入っていった。エレベーターホールに掲示された館内案内図を横目で確認すると、警備室の場所をすぐに記憶した。

煙雨集団の五階、廊下の突き当たりに、半開きのドアから白い光が漏れている部屋があった。ここが警備室だ。

小さな企業なので、李明の集団には警備員はそれほど多くない。段方が身を斜めにして部屋に入り、警備室内を目...