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277話

「くず野郎！」

「今すぐ古美術街の入口へ向かえ、奴らはそこにいる」

板刈り頭の男のイヤホンから、威圧感のある声が響いてきた。

「ゴホッ！ゴホッ！」

続いて、苦しげな咳込みが聞こえ、声の主は慌てて会話を切り上げた。

上司からの指示を受け、板刈り頭の男は周囲の仲間に合図を送った。彼らはまるで獲物を追う猟師のように、不気味な足取りで古美術街の入口へと素早く駆けていった。

この時、李雲霄と傅芸晴はどこにいたのだろうか？

視線を古美術街の入口に移すと、そこには二階建ての風情ある骨董店があり、一組の美男美女が白髪の老人に導かれてその店に足を踏み入れるところだった。

そう、この美男美女こそ李雲霄と傅芸晴で...