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89話

「二つを同時に?」

この途方もない考えが、この時既に理性を失いかけていた劉珊の心の中で一瞬浮かんでは消えた。瞬時に自分を下劣な女と罵った。こんな厚顔無恥極まりない考えが浮かぶなんて。だが劉珊はどうしても身体を前に傾けずにはいられなかった。

そうすると、ゆっくりと体勢が立ち上がるようになり、やがて全身が食器棚に貼りついた。正確に言えば、劉珊の体は食器棚のわずかな隙間にぴったりと寄り添うような形になっていた。

背後の李強は今、ますます強烈な感覚に襲われていた。朦朧としている彼は、ただひたすらあの極上の誘惑に深く突き入れたいだけだった。劉珊が立ち上がるにつれ、李強の体もゆっくりと前に進み、今や李強は...