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660話

「じゃあ、先に切るね」李強は、まだぼんやりしている従兄の王さんに数言葉をかけた後、急いで電話を切った。

王さんは携帯を手に数秒間呆然とした後、画面に表示された時刻を確認し、まだ明けきらない窓の外を見た。遠い親戚の従弟と一緒に女性を相手にするなんて、どうしても妙な感じがしてならなかった。

実際、李強の妻である劉珊に対しても、王さんは密かな興奮を覚えていた。だが従弟の李強と一緒に劉珊を相手にするなどとは思いもしなかった。そんな考えはあまりにも狂気じみている。もし従弟の李強が、自分の妻が従兄にこっそり抱かれていたと知ったら、どれほど激怒するか分からない。

そう考えた王さんは顔をこすった。先ほど...