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653話

今王浩のお母さんの頭の中は、さっき老王が言った言葉でいっぱいだった。

自分の夫と二人の結婚写真の前で、そして、そのあと、この恐ろしくも荒々しい見知らぬ男に激しく抱かれること。

そのことを考えただけで王浩のお母さんは自分が本当に堕落してしまったと感じた。強い羞恥と嫌悪の中で、心の奥底では老王がさっき言った妄想の言葉を繰り返し思い描いていた。王浩のお母さんにとって、こんな放埓で狂った行為は、まるで魔性の洗脳のように、頭の中でぐるぐると回り続けていた。

寝室のドアの音がした。罪悪感でいっぱいの王浩のお母さんは、ドアの開閉音がいつもより少し大きいことに気づかなかった。これは王浩が意図的に立てた音で、...