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175話

「これは全て孫建自身が進んでやっていることだ」そう思いながらも、胸を引き裂かれるような悲しみと絶望は言葉にできなかった。孫建は自分の身体がかつてないほど反応していることを感じながら、目に血走りを浮かべ、歯を食いしばってこの歪んだ感覚に耐えていた。今や彼の昂ぶりはもう限界に近づいていた。

孫建は顔を上げ、ドアを開けてそっと外に出た。

廊下に出ると、斜め向かいの部屋のドアの前に立った。このドアを隔てただけで、あの修理工は背中をドアに寄りかけ、妻は男の足元にしゃがみ込んで熱心に奉仕していた。

孫建はドアが時々、修理工の背中が当たることで軽い音を立てるのがほとんど聞こえるようだった。

今や心臓が...